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2015年12月11日金曜日

塩水アート



無常系 独自技法
「塩水アート」
Salt Water Art
(造語)
発表2013(2012)~




塩水で描き世界を浮かび上がらせる

湿気により変化する

限りある自然の輝きは儚く美しい




-------【追記】-------

※以前は「時間の経過で変化する」という表記をしていましたが
塩水アートと向き合っているうちに気付いたのは
作品(ごと、また、作り方)や環境要因によること

正確には「湿気、湿度によって変化する」です

基本的には湿度が高めだったり梅雨や台風シーズンなどが存在する日本においては
「時間の経過で」と言っても間違いではないのですが

塩自体が持つ吸湿性と放湿性という性質があり
湿度75%を境に呼吸をするかのように空気中の水分を吸ったり吐いたりします
この性質によって作品に変化が起こるのです
(「無常」を体現させているアートのため 接着剤やコーティング剤は使用しておりません)


高湿度の状態が長く続くほど変化の仕方が激しくなります
逆に、常に湿度の低い国であったり環境ではあまり変化は起こらないでしょう

(ですが不思議なことに、同じ場所に保管してあったのに
消えた作品とあまり変わらない作品があったりもしました)




また、初期は伝えるために分かりやすく
塩水アート作品を「絵」という表記で書いていましたが
(塩水アート作品の始まりが立体だったのもあり区別の為にも↑)

額装もしているので絵でも間違いでは…無いけれど
絵画 の括りでは無いと個人的には思っているため
(ある種、インスタレーションのような側面もあり)
基本的に「作品」と表記します


ちなみに昔自分が書いたものを読むと
塩水アートは「塩水ペイント」や「塩水アート絵」などと呼んでいた時期も初期にあったようです


-------*-------


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もともと何かと「素材」として見るクセがついていたので
私が手を出すものって結構
「もったいない」
きっかけなことが多かったです
(未だ日の目を見せてないもののが多いですが…)
こちらは「何で!???」と
よく聞かれるので記しておきます


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*塩水アートを思いついたきっかけ*

仕事中
塩漬けされた海藻を洗った際

塩がたくさん出てきました



水に乗ってさらさらと

排水溝に流されていく塩

……


「もったいないなぁ」

いつもこんなに出てくるのに
流してしまうのは

昔は塩を奪い合う戦まであったというのに
(と、この時に思ったかは定かでない笑)


海藻についていたと思われる
砂や貝殻の破片も僅かに混じっているようです

「食用には使えないけど何かはできる」
「造形物だな」


この塩もったいない
~MOTTAINAI~

ここから塩を使ってなんやかんや
やりはじめることになります




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以下


*発想〜ヒラシマの脳内〜*

日本料理には卵白と塩を混ぜて固めて
(サザエの貝殻などを固定する)土台などをつくるやり方があります
卵白を使えばある程度の造形は可能そう
というか普通に出来そう。
→「造形物だな」
です

しかし
それはそれでいいんですが
ですがなんか…こう…ずるい気がしました
なんとなくです。

それよりも湿気った塩は強固な塊になっていることがあるし
(鯛の塩釜焼きだって(卵白使ってるけど)あんなにも堅い)

塩、水分、融解、乾燥→→固まる
水分だけでいける!

→水分があって火を使う(実は当時ここもモッタイナイであった)と
もっと強く結合するはず!
→やってみよ!


**


まずは塩水を焼きながら固めて小さい珊瑚をつくりました

どういうことかと言いますと
サザエの蓋(熱に強そうだしイボイボしてるから塩の滑り止めになるし海!)に
モッタイナイ塩+水(飽和溶液どころじゃない感じの塩水つくる。結晶も)
それを何故か竹串(耐熱だし)で塩水を垂らしていく(焼きながら)の繰り返し
我ながら地獄!
ある程度で結晶も置きはじめる…

そしてこの工程は
当時これをやりはじめる前にしていた
スポイトで水滴を垂らして→凍らせるを繰り返し
氷の珊瑚を造形※するという
ものにやり方が非常に近かったです
あとから思えば。
温度は真逆ですが。ザ・低温火傷オンパレード

※個展[Water World](2012)にて写真で発表したもの
“Water Art[Sea]”こちらには未掲載…

**

なぜモチーフに珊瑚を選んだかというと

海からきた塩を素材にしたもので海のものを表現するという

モチーフと素材の関係性に強く意味があるものをつくりたい
想いがあった(もともとイルカや海の世界が好きで
無意識にもこれに適した素材は探していましたので
みつけた、と思いました。家業的にもです)
それと

魚の塩焼きをする際に化粧塩といって
ひれなどに塩をつけて焼くのですが

ひれに乗って焼き上がった塩は
サザエやアワビの貝殻に付着している珊瑚の塊とよく似ていました

それと単純に珊瑚が好きでしたし笑


実際に作ってみると想像よりも遥かに珊瑚っぽくって感動しました
ぐつぐつと煮立たせた塩水はフジツボに似た造形まで自ら成ってしまうのですから…




珊瑚を造形している際
垂れた塩水が乾燥してシンクに塩の結晶のリングができていました
これは美しい
キラキラ綺麗

というか平面もいけるぞこれは

→そんなわけで
塩水作品は立体から平面〜半立体へ

以前水と氷(霜)で描いた[Dolphin Story]の続き
そのシリーズから塩水アート絵(←※当時の呼び方)は始まるのでありました


日本における「塩」についての考え方やイメージと
黒い紙(モノクロの世界)と
[Dolphin Story]…なんとなくお察しですが

そんな話と
命,結晶の輝き、塩と水分、薄くなる、
抱える水滴、変わる結晶、消える絵?
諸行無常〜この作品…生きている!
などなど(アヤシい宗教じゃないです。。)

…また(笑)





2013~

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